その道行は

「ですが叶うなら、喚ばれたからには地獄の底までお供させて頂きたく……我が主」
 自分のこの言葉に、彼女はなんと応えるのだろうか。困惑するか不信感を募らせるか。それとも拒絶か。
 心待ちにしたその答えは、存外にあっさりとしたものだった。
「ありがとう」
 ――嗚呼、そうか。ここまでの異聞帯を戦い抜いた彼女は、このリンボたる道満との絆を深めることを厭わなかったこのマスターは。
 地獄への道行を拒絶しない。