どちらも太陽に焦がれていたので 彼は夜明けを見ていた。彼のかつての主が目指して、目にすること叶わなかったそれを。 彼は落日を見ていた。彼のかつての主が見届けたであろうそれを、他の誰よりも自分に近いものとして。 夜明けを見ていた彼はやがてそれを背負って、落日を見つめる。落日を見ていた彼はそれを見届けて、いつか夜明けと向き合う。 そうして二人の視線が重なって、初めて気が付く。背中合わせだった二人はずっと、それでも同じものを見ていた。