WEB再録

薩摩の若手と伊藤が酒を飲む話

「無理、疲れた」 夜も遅くに突然部屋の障子を開けた新八の、第一声がそれである。「寒いから早く閉めろ」「おつかれさまです」「お邪魔してまーす」 狭い部屋で、膝を突き合わせて酒を飲んでいる三人を見た新八は、開けた障子を後ろ手で閉めながら「あれ?…

匈奴の子守唄の話

「ちょ―――せ―――ん」 厚い垂れ幕を捲り、情けない声を出しながら穹廬に入ってきた張遼は明らかに酔っていた。ここ数日、いくらなんでも飲み過ぎだと思っていた貂蝉は相手へ見せつけるように大きなため息を吐く。「お酒はほどほどに、それができないなら…